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2003/06/23 |
NHLに続いてNBAも終了し、なんとなく寂しい季節になりましたが、その分MLBが賑やかでいいですね。今年は松井効果もあるのか、ラスベガスのスポーツブックで日本人カップルらしき姿も見かけるようになりました。とても嬉しいことです。あとは9月4日のNFL開幕まで世界情勢が更に落ち着いてくれればと願っています。
さて、本題のコンプダラーのお話を続けたいと思いますが、実は、これまでスロットクラブとは縁の薄かったスポーツブックや競馬を楽しむ人にとっても、コンプダラーは無視できない存在になりそうです。当然ながら「有利に利用できるかも」という希望的観測なのですが…。それではまず、コンプダラーがもたらすプラス面についてカジノグループを前提に簡単に整理してみましょう。
| コンプダラーのメリット(主にカジノグループプログラム) |
| (1) |
コンプ交渉が不要になる。或いは、不利な交渉結果を心配しなくてよい。 |
| (2) |
グループ内カジノでプレイした実績をひとつのコンプアカウントに集めることができる。 |
| (3) |
グループ内ホテルのカフェやレストランをコンプダラーで自由に使える。 |
| (4) |
テーブルとマシンを両方プレイしてもコンプの取りこぼしが少なくなる。 |
| (5) |
グループ内であれば宿泊ホテルの選択肢が増え、常に同じルールで使える。 |
この5項目だけでも旅行者にはとても魅力的なコンプダラーなのですが、うがった見方をするとその背景にカジノ側の思惑も見えてきます。カジノにとって最大のメリットは、コンプダラーを浸透させることで客をグループ内に滞留させることが出来る点です。そして、カジノ毎やゲーム毎に異なるコンプポリシーに客が戸惑わないよう、全てのサービスをコンプダラーという仮想通貨に換えることで、その通貨をグループ内で便利に使える喜びを客に植え付けるわけです。
◆今夜のおかずはスロットクラブ漬け
前回のコラムで紹介した、ホテルに支払った金額の3%をコンプダラーで還元する理由も、結局は客にコンプダラーの存在を教え、グループ内で行動するメリットを浸透させることで外に逃がさないようにするためです。更に、ストラトスフィアなどが形成するUltimate Rewards Clubのように、これまでコンプ対象から外れていたスポーツブックにコンプダラーを与えるスロットクラブも登場しています。いわばホテルがまるごとスロットクラブ漬けになっている状態で、客が使う全てのお金にコンプダラーが付いてくるといっても大袈裟ではありません。その典型はパームスのClub Palms
に見ることができます。パームスではスポーツブックはもちろん競馬やキノまでもがコンプの対象です。競馬の場合、各カジノにとっても収益が大きいので、これまでもスロットクラブとは切り離してサービス(多くはスーパーバイザー裁量)を行っていますが、バリーズのLe Turf Club
など確立されたシステムを持つところは、早晩コンプダラーアカウントに合流していくことと思います。この動きが加速すると、テーブル、マシン、スポーツ、競馬といった多種目をプレーする人にとって、コンプダラーはこの上ない強力な通貨になることでしょう。
また、プレーヤーはグループ内で最も有利なゲームを選択することが可能になります。従来から「カジノホテル内に客を滞留させる取り組み」は行われていましたが、コンプダラーの登場で今後はより大規模なエリアで客の流れが作られることになりそうです。例えば、パークプレイスエンターテイメント(PPE)は2004年初頭に開業するモノレールで全てのカジノが行き来可能になります。そのため、「パリスに宿泊してラスベガスヒルトンのビデオポーカーでコンプを獲得する。」といった構想を思い描いているプレーヤーも多いのではないでしょうか。それが万事うまくいくとは考えにくいですが、少なくともビデオポーカーのテクニックをPPEの中で駆使していくための環境は今より遥かに良くなるはずです。
◆正真正銘のConnection Card
これまでPPEが"Get Connected!"と勝手に叫んでいても、スロットクラブのキャッシュバックをまとめて下ろせるメリットなど誰も感じていませんでした。冷静に分析すると、コンプダラーの導入はグループカジノにしてみればコンプアカウントを統合するためにはこれしかなかったとも言えます。もちろん我々にとっても、やっと統一プログラムを横断的に研究する面白みが出てきたわけで、ここ数年、停滞気味だったスロットクラブの変革はラスベガスの新たな楽しみが見つかったような気がして、個人的にもちょっとわくわくしています。とはいえ、全てにおいて歓迎というわけでもなくて、当然コンプダラーのデメリットも見え始めています。次回コラムではそのマイナス面を中心に検証してみたいと思います。
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