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コンプダラー時代の到来(1) 2003/06/16 
皆様いかがお過ごしでしょうか。戦争にSARS騒動が重なり、家庭や職場ではラスベガス旅行など話題にできる雰囲気ではなかったこととお察しします。世間の風も若干和らぎ、旅行気分も少しずつ漂ってきたようですので、夏のラスベガス遠征に役立ちそうな新しい話題でコラムを書いてみたいと思います。

今回からのテーマは「コンプダラー」です。コンプダラー(Comp Dollar)とは、カジノ客が自分の使った宿泊代や食事代の支払いに充てることが出来るコンプの権利(金額)で、キャッシュバックと並ぶスロットクラブの重要な特典です。

コンプシステムについてご存知の方なら、「それってただのコンプでしょ?」という指摘をしたくなると思いますが、ここでいうコンプダラーとは、我々プレーヤーに還元される金額が明確な数字で示されていることを意味します。つまり、スロットクラブブースやマシン上或いはWebサイト上などで誰でも自分のコンプ獲得金額を把握できることが条件となるのです。とはいえ、実はシステム的にはこれまでと何ら変わりなく、カジノホストが叩くPC画面上に出ていた「この人は○○ドル分のコンプ権利がある」という数字が表面に出てきただけの話です。しかし、賢者のラスベガスにおいても随所で触れていますが、「自分がどれだけのプレーをして、どれだけのサービスを受ける権利があるか」を簡単に把握できることはとても重要な意味を持ちます。

そしてここにきて、いくつかの巨大カジノグループがこのコンプダラーシステムを導入したことで、スロットクラブの流れが大きく変わりつつあります。我々にとって有利になるのか不利になるのかは内容をよく吟味する必要がありますが、ラスベガスのコンプシステムが次なるステップへ踏み出したことは間違いありません。それらの動きに対して、この夏、我々はどのような対処が望ましいのかコラムを通して検証していきたいと思います。


◆ Cash OR Comps ≠ Comp Dollar

さて、従来からコンプ金額を明示していたカジノはたくさんあります。例えばコーストカジノのようなCash OR Compsで特典を提供するところでは、獲得ポイント数さえ分かれば「現金なら幾ら戻ってきて」「コンプなら幾らの権利」という具合に簡単に計算が可能です。後者を選択した場合は広い意味でのコンプダラーと言えますので、これらのカジノを主戦場としているプレーヤーにとっては新鮮味の薄いシステムかもしれません。(Cash OR Compsの意味についてはこちらを参考に)

ただ、最近の動きとして注目すべきは、テーブルゲームのプレイ実績をコンプダラーに換算してマシンゲームと同じアカウントに合算する点です。Cash AND CompsであるかCash OR Compsであるかに関わらず、これまでテーブルプレーヤーのコンプ権利を表面に出しているカジノはほとんどありませんでした。すなわち、従来のスロットクラブではマシンプレーヤーに対して数字を明示することはあっても、テーブルプレーヤーはカジノホストとの交渉がコンプ獲得の原則だったわけです。その点で、新しいコンプダラーの概念はテーブルプレーヤー或いはマシンと両方をプレイする人にとって、より透明性が高まったことは事実のようです。(得か損かについての結論を急ぐのは危険なので、その考察はコラムの続きで述べたいと思います。)


◆ Mandalay Resort に ParkPlace Entertainment が追随

テーブルプレーヤーも獲得できるコンプダラーを大規模に導入したのは、マンダレイリゾートグループの「The One Club」が最初です。http://www.myoneclub.com/ においてキャッシュバックとコンプダラーを確認できる画期的なシステムで、日本の旅行者にも多くのファンがいます。

そして2003年5月、パークプレイスエンターテイメント(PPE)が同グループのスロットクラブ「Park Place Connection」を進化させ、コンプダラーの導入に踏み切りました。PPEの場合、カジノ毎にキャッシュバック率が異なり、同様にコンプアカウントに集められるコンプダラーも違った還元率で発生しています。現在、マシン上でコンプダラーを確認できるシステムを試験的に使っており、大きな問題がなければラスベガス全体のコンプアカウントが統合され、また、来年には全米のPPEカジノを1枚のカードに集める計画が進んでいます。

更に今回、PPEが採用したルールではカジノを積極的にプレーしない客に対してもアプローチが開始されています。それは、ホテルに支払った金額(宿泊代、食事代など)の3%が自動的にプールされ、コンプダラーとして還元されるというものです。無論、カジノ客がゲームで転がす述べ金額に比べればホテル代など微々たるものですが、その目的は別のところにあるようです。詳しくは次回のコラムで。

今回は新しい動きであるコンプダラーの簡単な状況説明で終わってしまいましたが、次回からコンプダラーが我々の戦略をどのように変えるのか、また今後のスロットクラブの方向性なども考えていきたいと思います。

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